ピアスで耳たぶが裂けてしまうことがあります。この場合ただ単純に縫合をするだけでは耳たぶの輪郭が落ち込んだり、再び耳垂裂に見えることがありますので、Z形成術や小三角弁形成術を応用させた手術が必要です。
手術は30分で終了します。抜糸は術後5~7日です。
通常、耳は頭に対して約30度の角度でついています。それ以上の角度でついている耳は、向かい合う人から耳がよく見えるようになっています。また軟骨が平らに見え、対耳輪が平らになっていることがほとんどです。そのよう耳を、立ち耳と呼んでいます。欧米では立ち耳を「サタンの耳」と言って嫌う傾向があり、かなり早くから立ち耳の修正手術が盛んに行われています。
立ち耳の原因は、耳介部の軟骨が発達しきれていないことです。通常はこの軟骨が、耳を頭の方に適度に寝かせる働きをしますが、ここが十分発達していない場合、逆に前に押し出してしまうのです。
対輪がない、あるいは発育不全が主な原因なので、耳の後ろから軟骨に割を入れ、対輪を形成する手術が必要です。手術は局所麻酔で行い耳の後ろからアプローチするので手術痕はほとんど分かりません。
ピアスの穴を開ける行為は医療行為です。そのため、ピアスを販売している店舗やエステで開けることはれっきとした法律違反になります。それだけでなく、化膿したり耳垂裂(耳たぶが裂ける)、ケロイドの原因となることもあるので、必ず信頼できる医療機関で行うことをおすすめします。
まず、希望の位置にマークしていただきます。耳たぶに無理が生じないかチェックし、アドバイスいたします。
ピアス穴の修正
過去に作製したピアス穴がある場合でも、その穴をなくしたいという場合は修正手術を行います。ピアス穴は皮膚の表裏に貫通していますので、穴自体がふさがっていてもその傷跡は皮下に存在しています。よって表面(裏面)の皮膚のみ切除縫合しても完成ではありません。皮下にあるピアス穴の傷跡も取り去らなければなりません。
そのため、比較的緻密な手術が必要となりますが、当院では形成外科の技術で対応していきます。但し、ピアス穴の大きさや位置、数によっては修正に限界があることもご理解願います。局所麻酔で行います。抜糸は5~7日後に行いその間ガーゼの保護が必要です。 抜糸後はテープによるケアを行います。